社会人になってからでも遅くない!フリーランスWebデザイナー高橋洋美さんに聴く「本当にやりたいことを見つけるヒント」【ビィーゴ会員様インタビュー】

コワーキングスペースビィーゴの利用者さまに焦点を当て、その人の人生や仕事観についてお伺いするビィーゴオリジナルインタビュー企画「あの人に聴いた!働くってなんですか?」

第1回目のゲストは、2児の母であり、フリーランスのWebデザイナーとして活躍する高橋洋美(たかはしひろみ)さんです。

高橋さんは、美術系大学を卒業後、一般企業への就職を経て、25歳でWebデザイナーの道を目指すことを決めました。

しかし、そんな高橋さんも学生時代は自分のやりたいことが見つからず悩む日々を送っていたそう。「親に美大まで行かせてもらったのだから──」と就職活動をはじめたものの、心の中にはずっとモヤモヤが残っていた、と当時を振り返ります。

社会人になっても、自分を見つめ直し「本当にやりたいこと」をみつけるためには、一体どうすれば良いのでしょうか?今年度、社会人3年目を迎えるビィーゴスタッフおでんがそのヒントを聴いてきました。

ひろみさん
プロフィール

VERYDESIGN・高橋洋美(Webデザイナー)

和歌山県和歌山市出身。大阪府枚方市在住。 美術系短大、専攻科卒業後、イベント企画会社での勤務を経て、 デジタルハリウッド大阪校 社会人クラス ウェブデザインコースへ入学。 その後、ウェブ制作会社で勤務し、フリーランスへ。フリーランス歴は6年ほど。出産育児休業を経て2019年より復帰。

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<インタビュアー>:おでん(ビィーゴスタッフ/ライター)

学生時代「自分にはデザインは無理」と思っていた。

おでん

高橋さんは、学生時代からデザイナーになりたいと思っていたのですか?

高橋さん

学生時代はまさか自分がデザイナーになるとは思ってもなかったですね。

おでんさんと同じように「難しい、私には絶対無理」って感じでした。

おでん

えぇ、意外です。

昔からデザイナーを志されていたのかと思っていました。

高橋さん

もともと絵を描くことが好きだったので、今思えば興味はあったのかもしれません。

大学時代は京都にある嵯峨美術大学の短期大学で「油絵」を専攻していました。

おでん

大学時代は、どんな絵を描かれていたんですか?

高橋さん

当時は、現代アートにも影響を受けたりしていて、風景をデフォルメして抽象的な表現で絵を描いていました。

パッと見ただけじゃきっと何かわからないような絵です(笑)

おでん

へええ!

将来は絵で食べていこうと思われていたんですか?

高橋さん

思わなかったですね。

短大から専攻科へ進学して、トータルで4年描いていたんですけど、最後の方は描けば描くほどどんどん行き詰まってしまって。

慌てて方向転換。急いで就活です。

「とにかくまず1年就職しなさい」やりたいことを模索した、就職活動。

おでん

美大生の就活ってどんな感じなんでしょう?

高橋さん

美大の就活か〜。

専攻科は人数も少なかったせいか、同級生の中で就活をしたのは私だけだったんです。

周りはアルバイトをしながら芸術活動を続けるか、研究生に進学するかのどちらかでしたね。

おでん

まさに芸術の世界って感じですね。

高橋さん

そんな特殊な環境だったから、情報集めがもう大変で(笑)

就活のスタートダッシュも遅かったですし。

おでん

ふむふむ。

高橋さん

ひとまず、興味があったインテリアや空間、プロダクトデザイン系の専門職を受けていきました。
面接が進むにつれて、“こっちに進むのもいいな”と思えてきて。

おでん

就活したからこそ、見えてきた道ですよね。

高橋さん

でも、その時点では、もう遅かったんです。

遅い?
高橋さん

その手の専門職の会社を志望していたのは、学生時代に必死に建築やインテリアデザインに向き合ってきた子ばかり。

ずっと油絵を描いていた私とは、まるで世界が違いました。

学生時代にまとめたポートフォリオを持って面接に挑んだこともありましたが、反応は当然『油絵持ってこられてもね……』って感じで(笑)

おでん

え、厳しい……。

高橋さん

「就活辞めてもう一度インテリア系の専門学校に入ろうかな?」とか思ったりしたんです。

今思ったらおかしな話なんですけど。いろいろな学校のパンフレットを見たりして。

でも、オープンキャンパスで偶然出会った先生に言われたんです。

『とにかく君は、まず1年でいいから就職したほうがいいね』って。

おでん

専門学校の先生に。

高橋さん

はい。「どんな仕事でもいいからとにかく働いて、それでもやっぱりうちの学校に入りたいと思ったら、その時はぜひうちに来なさい」と。

「4年も親に大学行かせてもらって……」とも言われましたね。

痛いとこつかれました。

おでん

専門学校って社会人に対してすごくウェルカムな場所だと思ってたから、ちょっと意外です。

高橋さん

本当にインテリアの仕事やりたいの?
もう一度専門学校まで行ってまでやりたいの?
オープンキャンパスで出会った先生は、私が本気かどうかを確認したかったんだと思います。

言われたこと全部がもっともで。反省しましたね。

就職後も「落とし込めていない感覚」がどこかにあった。

高橋さん

専門学校の先生の言葉のおかげで「とにかく働こう」と思いました。

最初に勤めたのは大阪市内にある小さな広告会社。1年間DTPといってパソコンでデータを作成して印刷物を作る仕事をしていました。

おでん

油絵の世界から、デジタルの世界に転身されたんですね。

高橋さん

基本的なデザインソフトの使い方は全部最初の会社で勉強させてもらいました。

お給料をもらいながらデザインの基礎を学べるなんて、本当にありがたい話だったと思います。

おでん

高橋さんは、先ほど「1年で」とおっしゃっていましたが……。

高橋さん

はい。最初の会社は、きっちり1年で辞めてしまったんです。

結局、専門学校の先生の言葉の通りになっちゃいました(笑)

おでん

新卒で入った会社を1年で辞める。ある意味すごい勇気だと思います。

高橋さん

DTPの仕事って、その当時もすごく忙しくて。毎日が残業続きで、気持ちも体も疲弊してしまいました。

周りの人にも恵まれてたのに、何だろう……ずっと自分の中に「落とし込めていない感覚」があったんですよね。

おでん

確かに、本当にやりたいことって時間が経ってみないとわからないことって多いと思います。

もちろん、みんなが20代で見つけられるとも限らないですし。

高橋さん

当時は、若さ故かすごく模索していましたね。

おでん

インテリアの専門学校にはいかなかったんですか?

高橋さん

それが、1年働いたらすっかり忘れてしまって(笑)!

その後は地元和歌山のイベント企画会社に拾ってもらって、3年間勤めました。

おでん

(専門学校の先生が止めてくれていてよかった……)

実はWebデザインとの最初の出会いは、この会社なんです」と高橋さん。
高橋さん

勤めていたのはIT系のベンチャー企業がいっぱい入っているようなビルで、他の会社の人とも休憩室でよく顔を合わせるんですよ。

異業種で働く同年代と仲良くなるうちに「Webの世界っておもしろそうだな」と興味が湧いてきて。

同じタイミングで、上司から「自社のホームページ作ってみないか?」と声をかけてもらったんです。

おでん

それはすごい!当時から社内でデザインのお仕事をされていたんですか?

高橋さん

デザインソフトを一通り使うことができたので、社内で必要なグラフィックデザインの仕事を少しだけやっていました。

でも、Webに関しては全くの素人です。

おでん

大抜擢じゃないですか!

高橋さん

素人ながらに、色々本を買い込んで、夢中で制作しました。

無事会社のホームページが完成したときは、本当に嬉しかったです。

ずっとモヤモヤしながら生きてきたけど、やっと『コレだ!』と思えるものに出会えた瞬間でした」と高橋さん。
おでん

でも、自社のホームページが完成したらWebデザインのお仕事も終わってしまいますよね。

新しい道を見つけたご自身の気持ちと、どう折り合いをつけられたのですか?

高橋さん

同じ時期に、デジタルハリウッドが開講する社会人向けWebデザインコースの存在を知ったんです。

「本気でWebデザインに向き合えるチャンスだ!」とすぐに入学を決めました。

おでん

ということは、お仕事を続けながらWebデザインを学ばれたんですか?

高橋さん

それも考えたんですけど、Webの会社ではなかったので、学んだ後戻ってきても、Webデザインの仕事はできないかなと思って。

おでん

ええっ。もしかして退職されたんですか!?

高橋さん

はい、辞めました。車を買おうと思って貯蓄していたお金を全てつぎ込んで(笑)

年齢的にもやりたいことを始めるにはギリギリのラインだと思ったんです。

おでん

ちなみに当時はおいくつだったんですか?

高橋さん

25です。

ええ!!十分お若いですよね?
おでん

(え!?……違う?違うの?)

高橋さん

そうなんですよ。今思えば25歳は全然若い。

だけど当時はそう思えなかったんです。「若い」だけでは許されない。もう、後に引けないと思い込んでいました。

おでん

私ももうすぐ25歳になるのですが……当時の高橋さんの気持ち、なんとなく分かる気がします。

社会人3年目で、もちろん若いけど若すぎるわけじゃない。「知りません!」じゃ許されないこともいっぱいでてくる。

25歳は20代の中堅ですよね。

高橋さん

そうそう。

私の場合「美大に行かせてもらったのに、やりたいことさえ見つけられていない自分って一体何なんだろう?」という思いが特に強かったのかも。

高橋さん

何かひとつでいいから、のめりこめる仕事がしたかった。

「中途半端にはしたくないな、最後のチャンスかもしれないし」って。

おでん

強い覚悟をもっての決断だったのですね。

本気になったからこそ、「自分のやりたいこと=デザイナー採用」の道が開けた。

高橋さん

今になってみればあの時、仕事を辞めて自分を追い込んでよかったな、と思うんですよ。

おでん

どうしてですか?

高橋さん

学生時代も、就活時代も……これまでの私は心から「本気でこれを成し遂げたい!」と強く思うものがなかったんです。

だけど、仕事を辞めてWebデザインの勉強を始めたときは本気でした。

デジタルハリウッド では「卒業時に代表者を1名選んで企業の前でプレゼンさせる」という恒例行事があったので、私はWebデザイナーとしてまず最初の目標をここに置くことにしました。

おでん

卒業生で1人だけとは、かなり狭き門ですね。

高橋さん

気持ちが折れそうになることもありましたが、代表に選ばれる自分の姿をイメージして、とにかく必死で勉強しましたね。

卒業時には無事代表者に選ばれることができたので、「本気で思う力の大切さ」を学ぶ良いきっかけとなりました。

高橋さん

しかし、その後人生が全て順風満帆……というわけにはやっぱりいかなくて。

仕事に必死になるあまり、そのうち体がついていかなくなったんです。ストレスもうまく発散できなくて。

お医者さんに『もう君は北海道とか、どこか遠いところでゆっくり休養しなさい』と言われる始末で

おでん

そうだったんですか。

高橋さん

ありがたいことに、数年働いて退職した後もWebデザインのお仕事をいただけて、気がつけばフリーランスとして働くことになり、現在に至ります。

おでん

「独立しよう!」 と思ってフリーランスになったわけではなかったんですね。

高橋さん

私の場合はそうですね。結婚・出産・引越し、そうこうしているうちに2人目ができて。

Webの仕事はパソコンひとつあればできるじゃないですか。

女でも、母でも関係ない。これからもずっと続けていたいと思っていました。

Web業界の変化、「私はまだコワーキングスペースに行けない」。

おでん

いまさらではありますが、子育てと自宅作業の両立ってやっぱりすごく大変なんでしょうか?

高橋さん

私の場合は、子供を終日預かってくれる保育園ではなく幼稚園(子供は早く帰ってきます)へ通わせながら仕事していたので、大変でした。

一人目の子供の時は私の仕事のために保育園へ入れることに割り切れず、子供との時間も大切にしたいっていう思いで、葛藤しながら、、できる範囲で仕事してました。

2人目を産んだあとは、Webデザインの仕事もセーブしていました。

同じような感覚でいえば、私ずっとコワーキングスペースに行っちゃダメだと思っていたんですよ。

おでん

ええ!どうしてですか?

高橋さん

私が子育てに集中していた数年間、Webの世界は目まぐるしく変わっていました。

今、昔の知識のままコワーキングスペースに行っても意味がないかも。

だから家で勉強して子育て中のブランクが埋まったら、コワーキングスペースに入会しよう、と。

おでん

ス、ストイックすぎる……!
実際に使われてみていかがでしたか?

高橋さん

いや、もっと早く来ればよかったですね(笑)

想像していたよりもずっとアットホームで驚きました!

おでん

嬉しい。

高橋さん

勉強している人もいれば、仕事をしている人もいる。
中学生も高校生もいる。

実際に会って、ご飯食べたり、話したりして、人として関わっていくうちに、仕事を依頼しあってビジネスにつながっていく。

家で勉強するより、こういうオープンな場所にきた方がよっぽど効率がよかったな、と。

おでん

私も高橋さんと同じタイプで「完璧になるまで〇〇しちゃダメ」と思い込んでしまうんですよ。

お話を聞いて、「道の途中でもまずは飛び込んでみる」。

一歩前に進むことも大切なんだなと思いました。

デザインのゴールは、本当に大切なことが伝わること。

おでん

デザイナーとしてお仕事される上で一番大切にされていることを教えていただけますか?

高橋さん

ありきたりかもしれませんが、一番はヒアリングです。
お客さまが求めているものを理解する(把握する)のが未だに一番難しいですけど、一番大切にしていることです。

おでん

というと?

高橋さん

サイト制作を依頼してくださる方は、それぞれ思いをもってお店であったり会社を経営されていますよね。

できるだけ詳しく載せたいけれど、全てを掲載したサイト=伝わるサイトというわけではないのかなって。

だからこそ、ヒアリングを大切にしています。

お話をする中で本当に大切なコアの部分に気がついて、かつ “その(コアの)思いが伝わるサイトに仕上げていく力”がデザイナーには求められているんじゃないかなと思っています。

デザインのゴールは“本当に大切なことが伝わること”。
高橋さん

昨年、全国でも珍しいシュタイナー教育を実践されている「わかやまシュタイナー学園」という学校サイトを作らせていただいたのですが……

教育方針も個性的で、先生方もみなさんとても熱心。

お話も興味深いものばかりだったので、その分「何をサイトに掲載すべきか」をすごく深いところまで考えました。

わかやまシュタイナー学園

和歌山県紀の川市にある乳幼児から学童期の子どもたちが集う全日制の教育機関。全国でも珍しい自然や子どもの感性を大切にする「シュタイナー教育」を行っている。(公式サイト

おでん

高橋さんが作られたサイトを何度か見せていただいているのですが、どのサイトもあたたかい雰囲気が印象に残っています。

「わかやまシュタイナー学園」のサイトも水彩の淡いタッチが、素敵ですね。

高橋さん

わ〜、嬉しいです。
実はサイト内の水彩画(似顔絵は除く)全て私の手書きなんです。

イラストが特別得意というわけではないのですが、ニーズがあればこれからもサイト制作に生かせたらと思っています。

「成し遂げてから」「形になってから」じゃなく、まずは一歩踏み出してほしい。

おでん

最後に「今後の展望」と、「ビィーゴの利用を検討されている方にひとことメッセージ」をお願いできますか?

高橋さん

一時は迷った時期もありましたが、今は、これからもずっとWebデザインの仕事をしていきたいと思っています。

新しい挑戦としては、今年はパソコンを買い換えたので、印刷物のデザインにも挑戦していきたいですね!

おでん

それは楽しみ!

高橋さん

ビィーゴについては、地下にはスーパーもあるし、仕事をしながら4階のママステーションで子どもを預かってもらえるし……本当に助かっています!

スタッフさんも利用者さんも、とにかくみんな明るい。いつも楽しそうな笑い声が聞こえてくるたびに「ああいいな」と思ってます。

おでん

恐縮です……ありがとうございます!

4階ママステーション ではビィーゴ会員限定のおこさま一時預かりサービスを展開。
高橋さん

私自身がそうだったのですが、「何か成し遂げてから」「形になってから」じゃなくて、まずは一歩踏み出して訪れてみてほしいです。

交流会も盛んだし、家にいるよりも何倍も頑張る力が湧いてくると思います!


VERYDESIGN・高橋洋美さんへのお問い合わせ

デザインを通して、お客様のサービスをブランディングし、信頼されるウェブサイトを制作。サイト制作の他に、ロゴや名刺、パンフレットなど、印刷物のデザインまで幅広く手がける。

高橋洋美さん プロフィール

VERYDESIGN・高橋洋美(Webデザイナー)

和歌山県和歌山市出身。大阪府枚方市在住。 美術系短大、専攻科卒業後、イベント企画会社での勤務を経て、 デジタルハリウッド大阪校 社会人クラス ウェブデザインコースへ入学。 その後、ウェブ制作会社で勤務し、フリーランスへ。フリーランス歴は6年ほど。出産育児休業を経て2019年より復帰。

これまでの 制作実績

わかやまシュタイナー学園 ホームページ制作

Hair Salon Relect ホームページリニューアル

編集後記

「何かひとつでいいから、のめりこめる仕事がしたかった。中途半端にしたくない、もうだってこれは最後のチャンスだから」

3年間働いたイベント企画会社を辞めたとき、高橋さんは25歳でした。

高橋さんの言葉を聴いたとき、

“最後のチャンス” が25歳だなんて、あまりにも早すぎる。何かを始めるのに年齢は関係ない。いつだってやり直せる。いくつになったって。

……そんなことを思ってしまいました。

だけど、20代前半。新米社会人にとって、何か新しいことを覚えて、失敗してを繰り返していると、あっという間に時間が過ぎていくのも確か。

働く、辞める、休む、学ぶ、働く……
自分が迷ったり立ち止まっている間に、周りの同級生はどんどん成長していく。思い返せば私自身も、大学を出てから丸2年間ずっと「このままでいいんだろうか?」と焦りを感じていたように思います。


やりたいことが分からないとき。もしくは社会人になって「これだ!」と思うものに出会ってしまったとき。

頭で考えるだけじゃなく、まずは一歩踏み出してみる。
考えながら、悩みながらも、行動してみる。あるいは、行動しながら考えてみる。

20代、30代、40代、いつどんなタイミングでやってくるか分からない、「自分だけの最後のチャンス」を掴むために。

── 高橋さん、素敵なお話をありがとうございました。

この記事を書いた人
おでん
おでん
ビィーゴのコミュニケーター。生まれも育ちも枚方です。趣味はカメラ、最近ランニングも始めました!